そして、クリスマス当日。
「ってかセレブのパーティーなんて行ったことないしっ!
何を着てけばいいんだよっ!!!」
とあたしは怒りの独り言を言いながら準備していた。
あたしが持ってる服なんてカジュアルで安いものばっかだし。
…まぁいいや!どーせ恥をかくのはアイツだし!?あたしお金持ち界の人に知り合いいないしね!!
と思いつつ、とりあえず自分が持っている中では一番高くて、一番大人っぽいワンピースを着てみる。
…はぁ。憂鬱だ……。
ピンポーン―――
その時、まるで悪魔の来訪を告げる合図のように、家のチャイムが鳴った。
「はいはーい…」
重い足を引きずって、ノロノロとドアを開けると。
「っは!?お前なんだよそのイモ臭い格好は!!!」
スーツをビシッと着こなした新藤慧が、まるで異様なものでも見るような目であたしを見ていた。
「いっイモ臭い!?」
一応これあたしの一張羅なんだけど!?
すると新藤慧は、はぁぁぁぁぁぁ、と聞いたことないような長いため息をついて
「お前のセンスに任せた俺がバカだった。
来いイモ女!!!」
「いたっ!!」
思いきり腕を引っ張られ、黒塗りの車に押し込まれる。
運転席にはこないだの菊池さん。
「出せ」
そして車は走り出した―――地獄のパーティー会場へと。



