「きれー!!!!!」
水族館を出て、次に向かったのはエメラルドビーチ。
こんなに透明な海はじめて見た。
そして海といえばの、あの独特な潮の香りがしない。
無臭なのは海が綺麗な証拠なんだと、タクシーの運転手さんが教えてくれた。
「水着ギャルがいない!!」と杉本葵は嘆いてたけど。
いや…もう秋だし…むしろもうすぐ冬だし…
ローファーを脱ぎ、足だけ水に浸かって遊ぶ。ホントに透明だなー。
「あ、魚」
「え!?どこどこ!?」
「うっそぴょーん♪」
してやったりな笑顔の杉本葵。
このヤロ…
「くらえー!!」
騙されたお返しに水をかけ…
「…テメェ」
なぜか隣にいた新藤慧に思いきりかかってしまった。
「あ、ごめん」
まぁわざとじゃない。
許せ。
「お前…奴隷のくせに」
イラッとしたように片頬をヒクつかせた新藤慧の腕が急に伸びてきて。
――――…
「…普通女子を海に突き落とす!?」
あたしは今、お昼のソーキそばを食べている。全身びしょ濡れで。
それもこれも
「あんくらいで倒れんなよ。足腰80代かお前は」
この俺様鬼畜野郎のせい!!!



