「や…何言ってんのきみちん。
行かないよ。ていうか行けないでしょ」
『…だってこのままじゃ慧様、本当に結婚しちゃうよ?』
“結婚”
その二文字が、心の奥底にズーン、と重く圧し掛かる。
…そ…うだよね。
高校生だから今すぐにとはいかなくても、お見合いするってことは、ゆくゆくは…ってことだもんね。
「…仕方ないよ」
…あたしにはどうにも出来ないことだもん……
『…仕方ないわけないでしょ』
きみちんがいつになく強い口調で言った。
『綾世は仕方ないって逃げてるだけ。
…自分から追いかけていって傷つくのが怖いんでしょ』
「……そんなこと……」
…あるのかな。
『…慧様はいつも、なんだかんだ綾世の傍にいてくれたんじゃないの?』
新藤慧は
“傍にいろ”って言ってくれた。



