ゆっくり、新藤慧が振り返る。



バチッと目と目が合って。



…まさか。


まさか新藤慧…




「…好き……なわけねーだろっ!!!

何で俺がこんなブス好きになんなきゃいけねーんだよ!?
ありえねぇっつーのこんなドブス!!!」




ですよね!!!




「ちょっと!いくら何でもブスブス言い過ぎじゃない!?
さすがに失礼なんだけど!!」



言われるばかりじゃ気が済まないのですかさず応戦すると



「うるせぇカス!クズ!大体ブスの分際で男とイチャついてんじゃねーよ身の程知らずドブサイクが!!」



は、はぁ!?なんか一文に悪口詰め込まれすぎて、もはや何を言われてるのか分かんないんですけど!!




「うるさいなぁ!!何をそんなムキになってんの!?」



「はぁ!?別にムキになんてなってねーよ!!
お前のことを好きとかありえなすぎんだよ!ファンタジーか!!!」



「それを言うならこっちだってアンタを好きになるとか絶対ありえないから!!ぜーったい!!」



「あっそ!!」



「そうだよ!!!!」





お互い無言で睨みあう。




バチバチ火花が散るだけ散って




「っ来い!葵!!」


「え!?俺!?」




チッと舌打ちをしてあたしから視線を外した新藤慧が、杉本葵を連れて教室を出て行った。





はっ、一生戻ってくんなバーカ!!!!