「…起きてたの?」



「今起きたんだよ。
つーかお前」



不愉快そうに目を細める新藤慧。



「見えてるけど」



「は?なに…」




新藤慧の目線を追って、は、と気付く。



もしかしてあたし今、パンツ丸見え…




「っヘンタイ!!!」


「ちょっあぶね!!」



あたしの回し蹴りを、間一髪で避け新藤慧が立ちあがった。



「っにすんだよ!
こっちだって見たくて見たんじゃねーよそんな物騒なモン!!」



「ぶ、物騒なモン!?」



「で何の用だよ!?
人が気持ちよく寝てるとこ起こしやがって」



そしてドカッと近くにあったベンチに座る。




「呼びに来たの!関口があんたのこと探してたから」



「…あ?」



「今日、衣装の採寸することになってたんでしょ?
早く教室戻りなよ」




あたしの言葉に、奴が嫌そうに顔をしかめる。




「ふざけんな。俺はやるなんて一言も言ってねーぞ」




「あんたが言ってなくてももう決定しちゃったんだから仕方ないでしょ?

クラスの為だと思って引き受けなよ」



「何がクラスの為だよ、何が学園祭だ。くだんねー」




は、とバカにしたように笑う奴に



なんだか無性にイライラした。