「────こいつ、またにやにやしながら寝てる。気持ち悪ぃなホント。」
誰かの声が聞こえ、俺は目をあけた。
「おお、山田起きたか。」
隣の席に座っていたのは仲のいい友達だった。
スポーツマンでいつも元気な、高橋と、何の取り柄もなさそうな幼なじみの井上。
どうやら、俺は妄想が膨らんだ夢をみていたようだ
しかももう授業は終わってる。
授業中に寝ちゃうなんて初めてだよ…
「起こすなよ~。いいとこだったのに~」
机のうえにあるノートや教科書をしまい込みながら井上たちに文句を言った。
「いいとこって?」
「……別に。」
言えるわけない。
妄想なんて今時の女でもしないと思う
恥ずかしい趣味。
