「…ま、真琴っ!」



階段を降りながら叫ぶと、お菊から手を離して立ち上がった。



急いで階段を降りる。
あいつを待たせたくなくて、階段を三段ほど抜かしてジャンプした。



踊り場に綺麗に着地するはずが、足元が狂いよろめいてしまう。



「…おっと」



そんなあたしを奴は優しく抱きとめた。



「そんなに慌てなくてもいいのに」



茶髪に優しい目をした奴は苦笑いをして、あたしの頭を優しく撫でる。



だってあたしのせいで朝練遅れたら嫌なんだよ。



そう言いたいけど、恥ずかしいから言わない。