『中学生だ!バカ!』



昨日階段で会った小さな女の子に膝裏を思いっきり蹴られた。



あれほど痛かった蹴りは生きてきた中で初めてかもしれない。



おかげで膝裏が痛い。



痛みに耐えながら学校に行こうと家を出る。



石畳の階段の踊り場に出ると、上から階段を下りてくる足音が聞こえた。



ふと見上げると階段を警戒してゆっくりと下りてくる昨日の女の子がいた。



昨日転んだから警戒して下りてる…



その可愛さについぷっと吹き出してしまう。



吹き出した声で彼女は俺の存在に気付く。



「…あ!昨日の大型犬!」