パツ子と甘えん坊くん。




自分のせいなのに自分のせいにしたくなくて、お遣いを頼んだお母さんのせいにした。



するとあたしの目の前に手が差し出された。



え、何?誰…?



驚いて顔を上げるとそこには、さっきあたしを追い抜いていった彼が心配そうに手を差し伸べていた。



癖のある髪にトロンとした目。
眉を下げてあたしを見てる。



彼の目にはあたしが写っている。



「…ドンって音がしたから戻って来たんだけど…大丈夫?」



わざわざ?あたしのために?戻ってきたの?



驚きを隠せないあたしは目を見開いたまま彼を見た。



純粋な、子犬のような目をしてる。
体型は大型犬だけど。



あたしは「だ、大丈夫…です」と小声で言いながら彼の手を取った。



あたしの手を握ると、力強く引っ張ってあたしを立ち上がらせた。



それから散らばったスーパーの商品を拾って買い物袋に詰めてくれた。



優しすぎるでしょ、そこまでしてくれるなんて。



あたしはぼう然と立ち尽くしてただ商品を拾う彼を見つめていた。