少し肌寒い風が吹く10月。
学校の制服もカーディガン着用になり、夏とは違う寒い季節がやってきた。



それなのに真琴は上機嫌。



いつもあたしの顔を見たり、あたしに触れたりすれば上機嫌になるけど。



今回のは訳が違う。



朝練をしてる真琴を見てもそれは一目瞭然。
バスケ部員も「真琴、最近調子いいよな」なんて言ってる。



この月になると真琴の機嫌は一気に急上昇。



この時期にテストがあったって、追試があったって真琴の機嫌はいいまま。



それはあれが近づいているから。
肌寒い秋なのに熱いイベント。



そんなこと考えてると菜緒があたしの隣にやってきた。



「ねぇ、小夏。先輩が引退して部員みんな寂しそうにしてるのに、真琴だけご機嫌なんだけど…?」



コソコソと菜緒はあたしに耳打ちしてくる。