昼、屋上で遥斗と昼飯を食べていた。


「悠里ちゃんって可愛いねぇ…。」


遥斗がそう言いながらリンゴジュースを飲んでいた。


「なぁ誠?悠里ちゃんってどんな子なの?」


「なんで俺に聞くの?」


確か、ずっと遥斗は神山を質問攻めしていた。


「だって今日校内案内したときになんか話したんじゃないの?」


確かに話はしたが、特に一緒に語れるような事はなかったし…。
でもずっと体育館を眺めていたから部活は…なんだろう?


「なんかずっと体育館を見ていたような気がしたけど…あと運動部らしいよ、見た目は文化部なのに。」


そう言うと遥斗はニヤニヤしながらこっちを見ていた。


「な、なんだよ。」


「いやお前が女の子に対してそこまで話してくれることなかったから…(笑」


そう言うとさっきまで笑っていた遥斗が真顔になって、


「お前…悠里ちゃんのこと好きなんじゃない?」


「な、なわけねーだろ馬鹿野郎!俺はバスケ一筋だ!」


「だよねぇ~。」


俺はなぜかわらないけどイラついた。
遥斗にか?いや、それはそうだけど…。

遥斗が神山のこと聞いてきたときにも少しモヤってしたような気がしたけど…。


「あぁ!もう訳がわかんねー!!!」


俺はなぜか叫んでしまった。


隣では目を見開いて遥斗が見ていた。


「ど、どうした?」


「え?い、いや…なんでもない…。」


「そうか…そろそろ授業始まるし…教室に戻ろうぜ。」


「おう…。」



教室に戻って授業が始まった時、隣の席には神山がいなかった。



「椎名、神山を見てないか?」


「見てないよ。」


俺は焦った。
まさか俺が適当に校舎の案内したせいで迷子になっているんじゃないかって。


考えていたら俺は無意識のうちに、


「すいません、先生!神山を探して来ます!」


って言ってドアを強引に開けて廊下に出た。