「どこだっ…!悠里!」


俺は学校中を駆け回った。
探しても探しても悠里はどこにもいなかった。


「どこにいるんだ!?悠里…!」


外は雨が降り出し暗くなってきた。

どこなんだよ…。悠里…。


俺はもう帰ろうかと窓の外をふっと見ると中庭には女の子が一人傘もささずに立ち尽くしていた。
どこから見てもその姿は悠里だった。

俺は全力で中庭に向かった。

悠里に近づいて話しかけた。


「悠里…。」


悠里の手をとろうとしたが悠里に払われてしまった。


「触らないでっ…!」


悠里は顔や目が沈んでいた。
今降っている雨と同化しそうなほど弱々しい姿だった。


「もうほっておいてよ…。」


「悠里…違うんだ、あれは…!」


「言い訳は聞きたくない!私…馬鹿みたい…。」


切ない顔をしてこちらを向いた悠里は泣いているかは雨のせいでわからなかった。


「やっぱ人を信じてもいいことなんてないね。」


「ま、まてよ!」


俺がとめるまもなく走り去っていく悠里の背中を見つめていた。


「俺は何やっても駄目だな…。」


今この気持ち分かった。
俺は悠里が好きなんだ。




でも今更わかってももう遅いよ…。




君との距離を感じてしまう…。