空が遠く、遠くよく晴れた日だった。

今でも忘れない、あのすべてを包み込むような青空

オレは学校に向かう、重たい空気の満員電車に揺られ、バスにのり学校前のバス停に降りる。

見慣れた光景、いつもと何も変わらない…

変わらないはずだった。

人並みと共に階段を上がる、教室の手前オレは笑顔になる。

心から笑っている訳じゃない、愛想笑い。
世の中をうまくわたっていくためのすべ。

「おはよー!」

笑顔でオレは言う。

それに答える−友達−

「おす!相変わらず遅いなー?いつか遅刻すんぞ、空!」
オレの名前は空。

大層な名前だ。
空のように大きな人間にと親が名付けた。

それは失敗だったかもしれない。
オレは決して大きな人間なんかにはなっていない。

誰にも深く関わらず、何事も深く詮索しない。
常に自分というモノを優位な立場におけるようにしか思考していない。

「んなこと言ってオレが遅刻したの見たことあるのか?」
オレが答える。

「不思議だよなーなんで遅刻しねーんだよ。オレにその裏技おしえてくれっ!」

−友達−そうよぶには少し後ろめたいが、少なくとも客観的にみてオレとコイツ・・・流は友達なのだろう。