「…っ、ちょ…おい!!!!」

俺が思い切り体をよじっても、女の子達の力には全然敵わなかった。

「暴れないで。」

「何もしないよ。」

女の子達は着物を着ていて、髪を平安時代の女の人のように長く垂らしていた。

…そう、日本人形みたいな感じ。

あたりは再び霧に包まれてゆく。

…俺、どうなるんだ。

…もし寺内だったらパニックだろうな。

「「蒼様、お連れしました」」

女の子たちの声にハッとして顔を上げると、そこには青白く光る池があった。

「…なんだ…これ……。」

俺が呆然と立ち尽くしていると、

「ご苦労であった、戻ってよい。」

と、先ほどの女の人の声がして、女の子二人が煙のようにしゅうっと消える。

「…あ、あの、俺、怪我とか大丈夫、なんで、帰ります。じゃ。」

俺は絞り出した声でそう言うと、振り向いて走り出そうとした。

だが、足が地面にぴたりとついて動かない。

「何もしないと言うておるに。臆病な奴よの。」

ころころと鈴のような笑い声が響く。