その声でフッと前を向くと
三浦南朋は立ち上がっていて弓矢を持って目を閉じていた

そして“ふーっ”と息を吐き、射抜く様な目で
的を見つめ1本目の矢を放つ


璃子は胸の前で手を組み、何となく見るのが
怖くて目をぎゅっと閉じた


シュパッと矢が的に当たった音だけが聞こえる


すると次の瞬間に周りのギャラリーから


“あぁー”
“調子出てないね……”
“大会メンバー落ちかなぁ”


などの落胆の声が騰がり
パッと目を開いて的を見てみると

中心から大分逸れてしまっている矢があった