三浦南朋にすっかり頭を支配されながら
ホームの椅子に腰かけ電車を待つ


“あぁ、あと15分来ないのか…”

と平静を装っている璃子だが
さっきから胸の鼓動は速いままだ


璃子には三浦南朋の行動がさっぱりわからなかった

女の子全般には笑顔で仲良さげに話しているのに、同じクラスになって初めて会った時から璃子にだけは何となく素っ気ない態度だった


そして極めつけは“恋をする発言”をした璃子に
急に反応してきた事である




「………………あー!わかんない!!!」


無意識のうちに声に出てしまっていて
ハッと周りを見渡すとサラリーマンのおじさん
が不審そうな目でこちらを見ていた


あ、はは……と作り笑顔を向け会釈をすると
おじさんはすぐ手に持っている携帯に目を向ける



“……あぁ!もう考えるの、やめやめ!

と勢いよく立ち上がり丁度良いタイミングで
ホームに来た電車に乗った