聞いてみたものの、特に何をするでもなく
何でこんな事を聞いてしまったのか
急に恥ずかしくなり

“そ、そっか!……じゃあまた学校でね”

パッと立ち上がりノムとは別れた


少しどんよりした面持ちで
先ほどの部屋に戻ると扉の前でオレンジチャラ男が璃子の帰りを待っていた


「あの……?入らないんですか?」

と璃子が聞くとオレンジチャラ男は片方の手首を掴み、顔をぐいっと近づけ


「ねぇ、抜けちゃおうよっ♪」

などと抜かしてくる


璃子は一瞬目を見開いたが
恭子の知り合いの人だから、
と気を遣っていた堪忍袋の緒がとうとう切れ


“あんた!いい加減にっ……”

と言おうとすると


さっと、オレンジチャラ男の前に
背の高い1人の男が立ち塞がった


璃子は後ろ姿しか見えないが
男のふわふわとした茶髪と
いつぞやに抱き締められた時に嗅いだ安心する安らかな香りで

それが三浦南朋であることがわかった