「えっ?!これ私?!
ワタシナノデスカ?!」

と今度は素直に驚きの声をあげる璃子を横目で見つつ、恭子はメイク道具を片付ける


「そりゃそうよ。
でもね、ほとんどメイクはしてないの
璃子の良さをナチュラルに引き出しただけ」

鼻の下に指を当て
してやったりの顔で璃子の顔を見る


“それに璃子は元々お肌は綺麗だしねー”

と言いながらクローゼットを勝手に開き
洋服を選び出す


「ほれ、これにして」

と最近買った襟にビジュー付きの白シャツと
璃子のお気に入りの深いグリーンのスカートを
押し付ける


「さすが恭子様、お目がお高いっ!」

と言い着替え始める璃子に


恭子は全く、世話が焼ける

と思いつつ口元に笑みを浮かべ腕を組み
壁に飾ってある何枚かの写真を見ていた



ーーーその時、
1枚の写真の前で恭子の目は止まった