鍵を開け中へ入ると家具などはほぼないが、 以前と変わりなく懐かしい気分になる 父さんの家のハウスキーパーがたまに 俺の家も掃除してくれていたらしく 綺麗なままだった 「ただいま……」 スーツケースやら何やらを置いて ソファーへ座り何となくそう言ってみた 外はもう暗い 俺は窓に映る自分の顔を見つめた 「……何て顔してんだ…」 しばらく天井を向いて手足を投げ出し ぼーっとしていると自宅の電話が鳴った