目を覚ますと少し見慣れていた景色が広がる
それと同時にやはり思い出してしまう…

「……だから帰ってきたくなかったんだよ」



それから少しすると目的地に着き
タクシーを降りる

そしてホテルへ入り
エレベーターで最上階へ上がった


「……南朋?随分と久しぶりだな」

「……あ、父さんか」

エレベーターを降りると父さんが立っていた


「てか何してんだよ父さん、こんな所で」

「ふふっ……あなたを待ってたのよ。…ね?」

「お、おい。」


言うなよ、と咳払いする父さんと
笑顔で腕を組んでいるのは千秋さんだ

この2人には本当に驚かされた
俺が留学して2度目の冬、手紙でよりを戻したことを伝えられた


どうやら千秋さんは年齢の違いからか、
会社の人や父さんの親戚から
あまり良い印象ではなかったらしく
心の拠り所がなかったらしい

それで年が近い俺に
変な感情が向いてしまったのだ