一瞬、チュッと触れ合うだけのキスだった



しかし三浦南朋が額と額を付け、

信じる?俺の言った事。

と優しく問いかけるのに対し


頑なにNOの返事をする璃子に

あっそ、と目を細めて言い
三浦南朋の腕が璃子の肩と腰に回る



え?と思った瞬間にぐいっと引き寄せられ

璃子は三浦南朋に唇を塞がれていた


「っふ……ん…あっんっ……んぅ…」

昨日のキスとは比べものにならないキスに
璃子は目を見開く

キスさえ昨日が初めてだった璃子に
三浦南朋は容赦なく唇を重ねてくる


初めは三浦南朋の胸元をグーで叩き
必死に抵抗していたが

次第に唇が離れる頻度がなくなっていくキスに


いつの間にか酸欠状態になり
されるがまま三浦南朋にキスをされていた璃子だったが
はっと気付き、体を無理矢理離した



「……はぁ、はぁ…」

と肩で息をする璃子に対し、ふっと笑い


「これで少しは信じて貰えた?」

と息の一つも乱さずに三浦南朋は言い
再び璃子を抱き締めた



…抱き締めながら三浦南朋が璃子の中を擦ったのは璃子が突然泣いてしまっていたからだ


「……悪い」

慰めの言葉を次々にかけてくる三浦南朋に対し、だったら初めからするなと璃子は思う


“何なんだ、コイツ……”と
目に涙を溜め、眉間にシワを寄せていたが
三浦南朋の優しい手つきに先程までの嫌悪感は何故か消えていくような気がした


そして不覚ながら璃子は温かい腕のなかで
眠ってしまったーーー