そう言って顔を覗き込んでくるコイツに
赤いのはお前の方だろ、と言おうとしたが
……言えなかった


なぜならコイツの手が俺の額に触れ
俺は自分の鼓動が速くなったのに気付いたから



「…… ふっ」

「え?ちょっ……何で笑ってるの?」

「負けた。俺の負けだよ。」

「……?」

「お前こそ顔、赤いけど大丈夫?」

腰を屈めてぐいっと顔をわざと近付けて言うと
コイツは更に頬を赤く染めた


「……ゆ、夕焼けのせいだよっ!」

「へぇー……夕焼けのせいねぇ……」

「……か、帰るからね」

「……俺と“一緒”に?」

「………~っ!」






おわり。