少し薄暗いバーのカウンターに座ると
バーテンダーの女性が話しかけてくれた
「あれ、お客さん初めて?」
「はい、そうです。
何となく歩いてたら見つけちゃって……
半分出来上がってるんですけど
お洒落で雰囲気あるからつい……」
「ふふっ、ありがとうございます。
今日はどんな気分ですか?」
「うーん。失恋に乾杯!って感じで……」
「失恋なのに乾杯?」
「失恋だけど失恋じゃないんですよ。
ていうか……どうしても心に忘れられない人がいて……その人にはやっぱり敵わないなぁ
……ムカつくって気分です。
でも、もう無理に忘れようとしないで
前向きでいようって思って……」
するとバーテンダーさんは笑いながら
作っていき、目の前に薄いピンクの中に
朱色が沈んでいるカクテルが出される
「綺麗な色……」
段々眠くなりカクテルをじとーっとを見つめる
するとバーテンダーさんは何やら含み笑いをして奥へと消えていってしまった

