ーーー3年前


「お帰り……父さん。
あのさ俺、弓道の都大会でーーー」

「南朋、まだ弓道なんかやっているのか?
お前は将来、ホテルを背負っていく人材だ。
もう中学2年生だろ?
勉強だけやっていればいいんだ」

「……わかってる。」

「あと、明日19時に
東京のスペードホテルの1735室へ来い。
会わせたい人がいる。」

「……はい。」


それだけ言うと父さんは部屋へ行った


いつもこうだ……
俺が少しでも歩み寄ろうすると突き放す

そんな父さんが俺は憎かった

両親の離婚の原因は父さんが仕事にかまけて
母さんをほったらかしにしていたから

俺は当然母さんに引き取られると思っていたが
それは外れた

父さんがホテルの将来の為に跡取りが必要だったからだ


それだけの理由……

それだけの理由で俺は大嫌いな父親に引き取られた