「いや、そういうのは収入が安定してないし、やっぱり仕事にするなら安定したことじゃないと」


彼女の表情が明らかに曇り、不機嫌そうにこちらを見てくる。

その視線がどうしようもなく耐えられず、頭の中で懸命に違う話題を探していた。


「そういえば、次の舞台はいつだったっけ」


必死で笑顔を作り、彼女の機嫌が戻りそうな話題を口にしたつもりだった。

少しだけ和らいだものの、最後まで機嫌が戻ることはなかった。