待ち合わせの時間までは30分以上の時間がある。

それでも電車から降りると、早足で改札へと向かう。

いつも彼女は待ち合わせの30分前にいるから、自然な流れで僕たちの待ち合わせの時間は約束の30分前になっていた。



待ち合わせの場所に着くと、やはりいつもの通りそこには彼女が立っていた。


「ごめん、待った」


その声に振り向くと、上品な笑顔を見せてこちらに一歩近づいてくる。

僕にとってその姿は歴史上のどの人物よりも、そして・・・


「これで待っていたと言ったら、また私たちの待ち合わせ時間は早くなっちゃうよ」


世界中のどの女性よりも美しく輝いていた。