だから恋なんか、したくなかったんだ…

        ***


今日から直が毎日隣にいて、いっしょに給食を食べて、もしかしたら話しができるかもしれない。
恐いけど、がんばってみよう。
幼稚園でのことは、もう封印して小学デビューしたんだから。



そう決めて、あたしは毎日がんばった。
くせっ毛の髪の毛を少しでも直のサラサラの髪に近づけようと、乾燥肌でガサガサの手をスベスベにしようと、

幼稚園での傷を、少しでも閉じようと……
つらかったコトなんて、全部忘れてなかったことにしようと…




そんなことできるはずがないコトなんて、自分が一番よくわかっていたのに。