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「ふうかー、何見てんのー?」
友達の花夜(かや)の声で、ハッ我に返った。
風香(ふうか)、というのは私の名前だ。
「えっ。な、何も見てないよ!」
「……ふーん?」
教室から見えるグラウンド。
今日はたまたま部活がなくて、同じ部活の花夜と一緒に教室で数学の課題をやっていた。
……教室から見えるグラウンド。
白築くんが風を切って走る姿に、思わず目が離せなくなっていたんだ。
「……ヘンなの」
胸が、きゅうってなる。
最初で、最後。
キミとの帰り道は、昨日が最初で最後だったはずなのに、それがすごく惜しくなってる。
……キミに、会いたくなってる。


