それは、涼やかな秋の日のことだった。
放課後、校門をでたところで呼びとめられた私は。
「好きです。
よかったら、付き合って下さい」
……突然、知らない男の子に告白されました。
「え……、え?」
初めての告白に、私はただ、戸惑うことしかできなくて。
目の前にいる、いかにも「モテそう」な男の子。
茶色っぽいサラサラした髪に、人懐こそうな、髪と同じ色のきれいな瞳。
整った顔は、とても真剣な表情をしていた。
「ご、ごめんなさい!!」
ろくに男の子と喋ったこともない私に、いきなりこの状況を上手く乗り越えるのは無理だった。
気付いたら、勝手に口がそう言葉を発していて。
まともに彼と目を合わせることもできないまま、逃げ出していた。