大好きな君




「はあ・・・っはあっ・・・」

息が切れきれで少し息苦しいけどなんとか間に合った

今は7時20分

過去最速で来れたかもしれない


一年の玄関から少し遠い下駄箱まで行って

自分のクラスカラーのテープが張ってある場所の一番上に入っている上履きを取る

背が足りないからかやっぱり取りにくくて少しフラッとした



多分この時間ならもう湊はクラスにいるはずだから

五階まで駆け足で上がる



廊下のちょうど真ん中より少し左の私のクラスまで行くと

やっぱり湊がいた



「ぎりぎりじゃん」


しょうがないじゃん

起きられなかったんだもん


笑いながら話しかけてくれた湊に対してそんな気持ちになって
少し自分に怖くなったけど

言う前だから大丈夫
・・・・・・だよね?


「ちょっと寝ちゃって」


いつもの顔で答える


「だから言ったのに」


間があったのを不振に思ったみたいだけど気にせずに言う湊に
やっぱり反抗的なことを思う



今日は寝坊しちゃって、まだ本調子じゃないんだ


そう思って席までいく


「ねえっ・・・・・・」

「ごめん、トイレ」


何か言おうとした湊を遮って言う

途端湊は、湊の周りはざわついた



「じゃ、待ってるね」


にこって言う湊に背を向けてトイレに向かう


教室を出たら私の悪口が聞こえた