大好きな君







「―――らっ―――くらっ!!

さーくーらっっ!!」



「ひゃぁぁ!!!」


大きな声に夢から覚めて



その・・・・・・


「何、その声・・・・・
っつか音?」


笑いを噛み締めてる湊が言うような

変な叫び声が出た




いつも、なんでかそう・・・
叫び声に品が無いっていうか、その、まあ、そういう声が出ちゃうのが癖になって
これもまあ、女の子ーって感じの子には
「ぶりっこ」
「気を引きたがり」
とか云々言われるんだけど


湊はそういうの無いからついこっちも油断しちゃって
ああいう声が出ちゃうんだよねー


まあ、信頼してるってことで嬉しく受け取ってくれてるから
私も気が楽だし良いよね



「はいはい、ぼけっとしないで速く起きなさい
テストも近いし、自習室使いたいから速く行きたいの」


湊は本当に努力家さんで自習室借りてるから
速くしないとだよねー



「ごめん、先行ってる?」

「ちゃんと来るって約束してね」

「わかった」

「じゃ先行ってくる」

「うん、行ってらっしゃい」

「速く来たらいつもの、A-20で待ってるから」

「ありがとう」

「じゃね」

「うん」


部屋の前まで行って湊を送る
まだブタさんの可愛いパジャマだからあんまり出てないけど


可愛いのに周りには不評だった


がちゃ


「速くね」


ドアを開けて出ていっても湊が心配するのは

一回だけ、

一回だけそういうことをしたからなんだけど


でも心配し過ぎだと思ったりする


まあ、速く行かないと遅刻するから急がないとな