大好きな君



「ふぅ・・・まあ、良いよ」

ため息を吐きながらそう言う
照れ隠しって気づいたのは最近なんだけど、ちょっと嬉しいんだよね

けっこう



「まあ、そんなことより
もうお昼だよ、知ってた?」

「え?」

「だからもうお昼でーす」

「もう?三時限目は?え?」

「さくらがぼーっとしていたうちに終わりました」

「またー?えー、

・・・・・・ノート見せてくれるよね」

「いいよ、しかたないなー

その前にお昼だよ、学食行こう?」

「うんっ」



今日は確かAがサケのムニエルでBがハンバーグだったよねー

どっちにしようかな


ムニエルはムニエルでけっこう美味しくってさ
こう、いい感じにバターの香りがして鮭の美味しさを引き立てるらしいし

ハンバーグは最近食べてなくって食べたいんだよね


「湊は、AとBどっちにするの?」

半分、分け合いっこしようと思って聞いてみる

「今日はAかなー
ここのムニエル美味しいってけっこう評判だよ」

「そうなの?」

「なんか、先輩とかもそう言うんだけど学食のおばさんがイチオシなんだって」

「えーっホントに?食べたいなー」

ムニエルへの思いが動く



「じゃ、私もAにしよっかな」



自己決定がほどよく緩い私には
ムニエルは神様に見えるからさ