涙が溢れてうまく声が出ない。 「はい」と小さく頷いた。 颯のお母さんは静かに席を立ち他の人を連れ、病室から出ていった。 バタン─… 扉の閉まる音が虚しく部屋に響く。 私は席に座り、颯の手を握る。 「暖かい…。」 こんなに暖かい‥。 命の温もり、ちゃんと感じる。 ポタポタと手に雫が溢れおちる。 どうして─…‥