颯の言葉が‥痛い。


本当は嬉しく感じるはずなのに、凄く、凄く痛い。


「‥…。」


私は何も言えなかった。


今は何もわからない。
自分の気持ちさえも、颯の気持ちさえ。



颯はそのまま抱き締めてくれていた。

私が落ち着くまでずっと。



─────私は、後でこの時に「有難う」と言えなかったことを、ずっと後悔することになる。