和田佳奈は天馬桜子と並ぶほど、お金持ちの家の養子だった。


彼女は義母の家事を積極的に手伝う女の子らしい娘だ。


喋り方は天馬桜子同様、お嬢様っぽい喋り方。


そんな彼女は一人で怯えながら歩いていた。
周りをキョロキョロと見渡しながら…

そんな中でも美しく咲く花をぼんやり眺めていた。

園芸委員の彼女が種から育てた花が白や赤の花を咲かせていたのだ。

誇らしげに咲く花を彼女は微笑みながら見つめていた。


いつ死ぬか分からない

もうお母様やお父様に会えないと考え、彼女は無防備に花壇の前のベンチに腰をかけ、風に揺れる花をただ眺めていた。