すると
玉森のペースが遅くなり
私が玉森を抜かそうとした時だ。

「お、おはよ。」

急に挨拶されたのにびっくりして
何も言えなかった。頭をぺこりと下げただけ。

そのまま横に並んで学校に向かった。

玉森とは何年も話してなかった。
だからなにを話していいかわからず無言のままだった。

どーしよ。
なんか言った方がいいよね。
何を話そう。
どーしよう。

「今日席替えだな。」
玉森の口が開いた。

「そーだね。」

「…」

あー。また気まずくなった。
なんか言わなきゃ。
なんて言お。
てんぱる。ってか緊張する。

「隣誰になるかなー。」
と言ってみた。なんでこんなことしか言えないんだよー。

「どうだろうね。隣同士だったらいいな。」

え?

「え、あ、うん。」
としか言い返せなかった。
やっぱり初恋の相手だからちょっとは嬉しかった。