「き、きゃあぁあぁあああ!!!」
家に、叫び声が響く。
幸い、今は家に誰もいなくて怒られることもないんだけど、まさかこんなことになるなんて。
「な、なにこれ…」
鏡の前で半べそをかきながらあたしは自分の姿を確認していた。
朝、目を覚まし着替えをしようと鏡の前に立つと……なぜか黒い猫耳と尻尾が生えていた。
「あたし昨日こんなのつけて寝たっけ…?」
ぐいぐいと耳と尻尾を引っ張ってみたけど、全くとれない。
「ど、どーしよう…」
今日は吉田くんがあたしの家に遊びに来る日。
だから昨日部屋の掃除頑張って、お菓子でも作ろうって張り切ってたのに…!
「最悪だよ…」
まさか夢?
夢だったら嬉しいんだけどなぁ…。
とりあえず着替えしよう。
あたしは、そう思いながらも昨日用意した服に着替え始めた。

