「おい、花聞いてる?」
「えっあっはい!」
やばいやばい貴重な帰りに自分の世界に入り込んじゃったよ…!
「なに考えてたんだよ」
「んー。幸せだなあって」
へへ、と笑うと吉田くんはぐっと顔を近づけてきた。
あ…キス、される……?
改めてわかったこと。
吉田くんは結構キス魔だ。
そんなことを思いながら、静かに目を瞑る。
「〜♪〜♪」
あと少しで唇が触れるってときに、あたしの携帯電話が鳴った。
「あっ、ごめん!」
急いで携帯を確認すると、結羅からだった。
なんの用…!?吉田くんかなり不機嫌だよーっ!
若干イラつきながら、電話に出る。
「もーなに?」
『ははははは花!!おおおお落ち着いて聞いてくれ!!!』
「わぁー!とりあえず声でかいし、結羅が落ち着け!」
『お、俺な!?杏里と付き合うことになったぁあぁあああ!!!両想いだった!!!」
「ええええええ!よかったじゃん!おめでとー!!!」
や、やっとくっついたか…!