李恋ちゃんが出て行ってからも、あたしはただただ呆然と座っていた。
いきなりのことで頭がついて行かない。
いつの間にか流れていた涙を拭って、あたしはふらふらと立ち上がった。
とりあえず、いつまでもこんなホコリ臭い教室で悩んでも仕方ないよね。
電話で杏里に相談しよう。
ドアに手をかけ、開こうとしたーーー。
「あれ、あかない…!?」
何回ドアを引いても、ガチャガチャというだけで全くあかない。
資料室だけは何故か、外側からしか鍵を開けることができない。
よって、教室の中には鍵はついていないのだ。
しかも、またまた最悪なことに外側のドアのとこに木の棒みたいなのがあって、それに突っかかってるせいか、ドアは1センチも開かない。
やられた……!
こんなことをするのは、李恋ちゃんだけだろう。
「どーしよ……」
あたしはその場にヘナヘナと座り込んだ。
カバンは教室。
携帯はカバンの中。
助けは呼べない。