「花・・・」 後ろから聞こえる、杏里の躊躇うような声にハッとした。 すぐに杏里の方を向く。 「大丈夫?」 「あ、はは。全然平気だよ。うん、あたしは大丈夫…。慣れて、るから…慣れて…」 慣れてるはずなんかない。 彼氏と、自分の大好きな人と、あたしじゃない女の子の仲良くしてる場面なんて慣れるはずがない。 美味しかったはずのカレーライスは、半分以上残した。 あたしたちはそのまま、食堂をあとにした。