あのお母さんの夢を見てから、もう何日かたったある日。
あたしはいつも通り、教室で杏里と話していた。
そういえば…お母さんの夢とか久しぶりに見たかも。
目、覚ましたら枕が涙でぐしょぐしょだったっけ。
あぁ…もう一度会いたいなぁ……。
「って、花!聞いてるの!?」
「うえ!?はっはい!なんの話しでしょうか!」
杏里の一言で、我に帰った。
「もーっ。李恋の話よ。中山李恋!」
「あー……」
出された名前に、あたしは苦笑いするしかなかった。
「最近、吉田くんとべったりいすぎ!絶対あの子裏あるよね…」
そう、なんです。
あの帰り以来、吉田くんと李恋ちゃんはいつも一緒にいるんです。
そりゃあもう、あたしなんかよりずーっと一緒に。
あの二人がカップルっていう方が、あたしなんかよりも何倍も説得力がある。
・・・とか言って、もう付き合ってたりして、ね。