「あっ!吉田く……」
「おい爽汰ーっ!カラオケ行く?それともゲーセン?」
あたしの言葉を遮って、吉田くんの後から出てきた男子や女子が放課後の予定についてワイワイ話している。
「おー、どこでもいいよ」
・・・なんだ。
そっか、そうだよね。
あたしの淡い期待は簡単に崩れ落ちた。
彼女より友達優先なんだよ?吉田くんは。
そんなのわかってたことじゃん。
今更、どうこう言うことじゃないんだよ…。
そのとき、吉田くんはあたしの存在に気づいた。
「あー花」
吉田くんがこっちを向いて言うから、みんながこっちを見る。
視線が痛い……。
まるで、珍しいものを見るような目で見てくる。
「今日、こいつらとこれから遊びに行くことになったから一人で帰って」

