さよならをください

そのとき、頭の中にあの曲が流れた。





生まれて初めて歌を聴いて涙を流した。



だけど



その歌の名前は分からなかった。



そして



二度とその歌を聴くことはなかった。





死ぬ前にもう一度だけ、あの歌を聴きたい。



そのことが僕の気持ちを一つに固めた・・・


「歌を・・・聴きたい」


間違えないように、ゆっくりと確実に口にした。