それでも…それでも…
「なんでもないってばあ!!
教えることもなあーんもないのっ!」
ごまかし通してやるっ!
早手に教えたら
からかわれて終わるだけだもんっ!
絶対教えてやるもんですかっ!
てかっ……だいたい…
「だいたい早手は
なんであたしのへや「水乃」
………トクン
「なあ、お前は俺に
黙っててこれで済むと思ってんの…?」
嘘なんてつけない
「…そんな…意味じゃなくて」
目剃らしたくても剃らせない
「ふーん。俺には言えないんだ?」
ごまかしたくてもごまかせない
「……そんなの知らない」
「………そうか」
…なんで?なんでそんな真剣な目で
あたしを見てくるの────?
ガラッ
早手が勢いよくあたしと早手の部屋の
行き来できる窓を開けた
早手、帰るんだ…
「…以外に頼られてねーんだな、俺」
「え……?」
早手はボソボソっと何かをつぶやいた
それがあたしには聞こえなかった
早手はあたしと自分のベランダに
飛び越えようとしてた
「……楽しんだら?
奥野さんとデート」
「ッ…!」
それだけ言って
早手は自分の部屋に入り
カーテンをしめた
