beautiful love ★ 俺様boyと天然girl

。早手の胸に顔を寄せたまま。

しばらく、どちらも何も言わなかった。

さっきまで止まらなかった涙も、
少しずつ落ち着いていく。

早手の腕の中は。

やっぱり、昔から何も変わらない。

安心する。

そう思った時――。

「……っ」

下腹部に痛みが走って、
思わず身体を丸めた。

「水乃?」

「……大丈夫……」

「大丈夫じゃねぇだろ」

早手がすぐに身体を離して、
私の顔を覗き込む。

そういえば私。

お腹が痛くて、保健室に来たんだった。

いろんなことがありすぎて。

自分でも忘れかけてた。

「……悪い」

「え……?」

「しんどいのに……無理させた」

「…………」

「ごめん」

早手は私をベッドに座り直させた。

「……横になっとけ」

「でも、片付け……」

「いいから。休んでろ」

「…………」

言われるまま、
ゆっくりベッドに横になる。

早手が掛け布団を、
私のお腹のあたりまで掛けてくれた。

「……水乃」

「ん……?」

早手の手が。

そっと私の頭に触れる。

髪を撫でるように、
ゆっくりと手が動いた。

「…………っ」

「ちゃんと休んどけ」

「……うん」

大きな手が、
もう一度だけ優しく頭を撫でる。

「俺、片付け戻るから」

「……うん」

早手が立ち上がる。

離れていく姿を見ていると、
胸の奥が少しだけ寂しくなった。

だけど。

今は私も休まなきゃ。

「……じゃあな」

「うん……」

扉が閉まり、
保健室に静けさが戻った。

私は布団の中で、
ゆっくり目を閉じる。

頭にはまだ。

早手の手の温もりが残っていた。