beautiful love ★ 俺様boyと天然girl

















「本気なら、別に俺は何も言わないけど

けど、水乃を選ぶことで

失う友情もあるってこと

ちゃんと考えなきゃいけねーと思う……」

カーテンの向こうから。

真澄の声が聞こえる。

「水乃のこと、本気なら

水乃のためにも、けじめつけるとこは

ちゃんとしとけ」

「…………」

真澄と慎がすぐそこにいる。

俺は水乃の手を掴んだまま。

黙って2人の話を聞いていた。

「俺は何よりも水乃が大事だから

これで早手との友情が左右されるって言うなら

俺は別に構わない」

「…………」

慎の声には。

迷いなんかなかった。

「花火大会の時は……

俺に振り向いてほしくてキスした」

ドクン――。

目の前の水乃が。

少しだけ俯く。

「でも、今日は違う」

「…………」

「ちゃんと水乃に聞いたよ。

嫌ならしないって」

慎。

それ以上言うな。

「でも、水乃は嫌って言わなかった」

「…………っ」

水乃を見る。

顔を真っ赤にして。

俺と目を合わせようとしない。

「……キスしたあとも

嫌じゃなかったって言ってくれた」

ドクン――。

……なんだよ。

それ。

慎と。

キスした……?

しかも。

嫌じゃなかった?

「…………っ」

掴んでいた水乃の手に。

思わず力が入る。

「俺、今が一番チャンスだと思うんだ」

慎の声が。

そのまま続く。

「前は早手には敵わないって思ってたけど

今は俺に頼ってくれることが多くなった……」

「…………」

「守りたいんだ……」

少し間が空いて。

「辛い時、一番に支えてやりたい」

水乃が。

また俺から目を逸らした。

「水乃が好きなんだ……」

ドクン――。

胸が。

苦しくなる。

慎に。

水乃を取られるかもしれない。

そう思っただけで。

手が震えた。

「俺は水乃の笑顔を守りたいんだ」

「…………」

誰が……。

お前なんかに渡すかよ。

「水乃最近さあ、本当に俺に甘えてくれるようになったんだよ」

慎が。

少し嬉しそうに話す。

「ちょっとの進歩だけど……

それだけでも、余計に離したくない」

「…………」

「すぐにでも俺のものにしたいって

思うようになってしまった」

そして。

「てかもう、誰にも渡す気ないけどね」

ドクン――。

「…………」

お前がその気なら。

もう。

俺も我慢しねー。

水乃の手を。

強く握り直す。

「……っ!?」

水乃が。

驚いたように俺を見る。

慎とキスした。

嫌じゃなかった。

その事実だけで。

俺の中の何かが吹っ切れたような気がした。

慎に。

こいつを渡すつもりなんかない。

誰にも。

渡す気なんかねぇ。

もう。

黙って見てるだけなんてやめる。