涙が。
止まらない……。
揺らいじゃだめなのに。
もう早手から離れなきゃって、何度もそう思ったのに。
さっきから早手の言葉ひとつひとつに。
私の胸は、どうしようもないくらいドキドキしてる……。
「どこにも行くな……水乃」
「…………っ」
私を抱きしめる早手の腕が。
小さく震えていた。
早手が何かを我慢してる時。
絶対、身体が小刻みに震える。
ずっと昔からそう。
誰より近くにいた私だから、分かってしまう。
「……ヒック……もう……遅いよっ!」
早手には。
木南さんがいる……。
付き合ってるのかなんて、本当は知らない。
だけど、私にはそう見えるくらい、2人はずっと一緒にいる。
それに。
私だってもう……。
後戻りできないくらい。
慎に期待させちゃってる……。
私のことが好きだって言ってくれた慎に。
私だってちゃんと向き合いたいって、思い始めてる。
だから。
これ以上……早手のそばにいちゃだめだよ……。
コンコン!
「…………っ」
突然。
保健室の扉をノックする音が響いた。
「失礼します」
え……?
その声に。
涙でぐちゃぐちゃだった頭が、一瞬で真っ白になる。
この声……。
慎っ!?!?
「…………っ!」
どうしよう。
早手と一緒にいるの……。
見られちゃう……っ!!!
