早手の言葉を聞いたせいか
体がまた固く強ばってしまい
震えが止まらなくなった
やっぱするんじゃなかった‥
逃げたい‥
消えちゃいたい。
「…ッ……上手なキスの仕方なんか…わかんないよ‥っ」
「……教えてもらえばいーじゃん…
お前が好きになろうとしてる慎に。」
ズキン…
やっぱり
どうして‥
さっきはあんなにあたしのこと
抱き締めてくれたのに…
あたしのキスが下手だったらこんなにも冷めちゃうの‥
「……そだね…
今度慎に教えてもらう…
大人のキスの仕方…」
どうせあたしは何も知らない子供
木南さんみたいに…大人になれないよ…
ガバッ
っ!?
「アホ‥本気にすんな‥」
再び腕の中に包まれた
「ごめん‥‥ごめんな‥
こんなときに意地悪言った‥
…下手で安心した
上手かったら‥
慎に教え込まれたのかって…嫉妬してた」
頭を優しく撫でてくれる早手の声は
いつもの"幼なじみの早手"に戻っていた
「……上手なやり方…なんて
早手がいっぱい‥キスして‥教えてくれなきゃ
わかんないんだからね…………っ」
私今‥めちゃくちゃ恥ずかしいこと言ってる
早手じゃなきゃ…こんなこと言えない…
「…お前…そんなお願い‥‥反則だろ………」
「…早手じゃなきゃ‥キスできないよ…」
抱き締められていた体が少し離れ
お互いどっちからもなく
静かに目を閉じ、唇を重ね合わせた
