beautiful love ★ 俺様boyと天然girl

次の日。

いつもより少し早く家を出た。

文化祭まで、もうあまり時間がない。

昨日終わらなかった飾りを少しでも進めようって、慎と朝少し早く学校へ行く約束をした。

待ち合わせ場所まで行くと。

「おはよ、水乃」

「おはよ」

「眠そ」

「慎もじゃん」

「俺は余裕」

「今あくびしてたでしょ」

「してねーよ」

「してた!」

「あははっ」

そんな話をしながら、2人で学校へ向かう。

「今日であれ終わらせようぜ」

「慎がちゃんとやればね」

「またそれ?」

「だって昨日も――」

そこまで言って。

足が止まった。

「……水乃?」

「…………」

少し先。

見慣れた後ろ姿が見えた。

早手。

こんな時間に。

早手はもう学校にいると思ってた。

朝も自主練するって言ってたから。

「……早手?」

隣で慎が呟く。

その声と同時に。

早手の隣を歩いている人が見えた。

「…………」

木南さん。

2人で並んで歩いていた。

木南さんが何か話して。

早手が答える。

それから木南さんが笑った。

ただ一緒に学校へ向かって歩いているだけ。

それだけなのに。

――朝も自主練したいから。

――しばらく先に行く。

早手にそう言われてから。

私はずっと1人で学校に来ていた。

「…………」

昨日の会話が頭に浮かぶ。

――今日もありがとう。

――明日も大丈夫?

――じゃあ、また連絡するね。

あれって。

このことだったんだ。

「水乃」

慎に呼ばれて、ハッとする。

「……なに?」

「いや」

慎も前を見ている。

「声かける?」

「…………」

少し迷って。

「いい」

「いいの?」

「うん」

今は。

何も聞きたくなかった。

「……行こ、慎」

「おう」

また歩き出す。

少し前には、早手と木南さん。

その後ろには、私と慎。

同じ学校に向かってるのに。

早手との距離が。

いつもよりずっと遠く感じた。