beautiful love ★ 俺様boyと天然girl

私はそのまま、接客の準備をしている慎たちのところへ戻った。

「遅かったな」

「ごめん。どこまでやった?」

「ここ。あとはこれ貼れば終わり」

「分かった」

慎の隣に座って、さっきの続きを始める。

「水乃、これ」

「ん、ありがと」

テープを受け取って、飾りを貼る。

その時。

少し離れたところから、木南さんの笑い声が聞こえた。

なんとなく顔を上げる。

「もう、早手それ違うって」

「え、マジ?」

「そこじゃなくてこっち」

「あー、ほんとだ」

「ちゃんと見てよ」

「見てたって」

「絶対見てないでしょ」

「見てた見てた」

木南さんが笑って。

早手も笑っていた。

「…………」

楽しそう。

ついさっきまで。

私と慎のこと、あんなに気にしてたくせに。

――最近、慎ばっかじゃん。

そんなこと言って。

私が戻ろうとしたら、手まで掴んできたのに。

自分は。

木南さんとあんなふうに笑うんだ。

「……水乃?」

「え?」

「これ、そこじゃなくね?」

「あ……ほんとだ」

「何してんだよ」

「ごめん」

「珍し。水乃が間違えるとか」

「慎が喋るからじゃん」

「俺のせい?」

「そう」

「理不尽すぎんだろ」

慎が笑う。

「ほら、貸して」

「いいよ、自分でやる」

「また間違えんぞ」

「間違えないって」

「はいはい」

慎が私の手から飾りを取って、貼り直す。

その横顔を見ながら。

もう一度だけ。

早手の方を見る。

まだ、木南さんと話していた。

「…………」

だったら。

私が慎と一緒にいたって。

別にいいじゃん。

「慎」

「ん?」

「次、何やる?」

「お、やる気出た?」

「早く終わらせよ」

「はいはい。じゃあ次これな」

「うん」

私はもう、早手の方を見なかった。